【こんな症例も治りますシリーズ 784】 『 猫の珍しいタイプの心臓病 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の僧帽弁閉鎖不全症の心エコー図です。

■ モザイク色の部分は、本来一方通行の血流が『逆流』になっている状態です。

 

参照サイト:

https://00m.in/nUdJB

 

 

『 猫の心臓病 』も血液検査+心エコーで早期発見できます

 

 

猫 アメリカンショートヘア 14歳 オス(去勢手術済)

 

 

 

【 健康診断で心臓の異常 】が見つかったので、その後の方針を飼主様と相談しました。

 

 

 

 

 

◆◆ 今回の子は、健康診断で行った血液検査にて NT-proBNP(心臓バイオマーカー)が軽度上昇 していることがわかりました。

 

 

■ NT-proBNPは心臓に負担がかかると上昇する値(ペプチドの量)で、早期の心臓病を見つける手がかりになります。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様には特に症状の自覚はありませんでしたが、念のため詳しい検査を行うことにしました。

 

 

■ レントゲンでは異常なし、しかし心エコーで逆流を確認

 

 

• 胸部レントゲン検査  :  心臓の形や肺に問題はなし

• 心エコー検査     :  僧帽弁(左の心臓の房室弁)の逆流を確認

 

 

 

 

■ この結果から、まだ治療を始める段階ではないものの、初期の心臓病(僧帽弁閉鎖不全症) が隠れていることがわかりました。

 

 

 

 

 

◆◆ 現在の治療方針

 

 

■ 今のところ症状はなく、治療を必要とする段階ではありません。

 

 

■ そのため、定期的な血液検査と心エコー検査で経過を観察していくことにしました。

 

 

 

*** 猫の心臓病は隠れていることが多いです。

 

 

 

 

 

★★★ 猫の心臓病は犬と違い、聴診だけでは見つけにくい という特徴があります。

 

 

■ 特に高齢猫では、無症状のまま進行しているケースも少なくありません。

 

 

 

 

 

そのため:

• 最低でも年に1回の健康診断(血液検査+画像検査)

• NT-proBNPなどのバイオマーカー測定

• 必要に応じて心エコー検査

といった流れが、早期発見にとても有効です。

 

 

 

 

◆◆◆ 最後に

 

 

 

■ 今回の猫ちゃんは、健康診断を受けたことで『 隠れた心臓病 』を早期に発見できました。

 

 

 

■ 症状が出てからでは進行していることも多いため、定期的なチェックが長生きにつながります。

 

 

 

■ 『まだ元気だから大丈夫』と思わず、シニア期の猫ちゃんはぜひ健康診断を受けてあげてください。

 

 

 

 

 

獣医師 土屋 優希哉

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